本の紹介

HATTATSU BOOKS vol.4『発達障害「グレーゾーン」その正しい理解と克服法』岡田尊司著

発達障害女子_本の紹介_アイキャッチ

自分の弱点と克服法が分かりました!

今回ご紹介する本は、精神科医岡田尊司先生の『発達障害「グレーゾーン」その正しい理解と克服法』です。

日本出版販売が発表する2022年の「年間ベストセラー」新書部門第6位にランクインするほど売れている本ですので、手に取った方も多いのではないでしょうか❓

じつは、今回はいつも以上に私事な自己分析となってしまい、広く皆さんのお役に立つ本の要約や書評には程遠いのですが💦、自己理解と克服法を見つける一例としてご紹介できれば、、と思います☺

では、早速結論から。

私の弱点は、ワーキングメモリの凹であり、その克服法は、、、

発達まち子

シャドーイングでした

本書を読んで、「スラムダンクしかない!」の桜木花道のごとく、「シャドーイングしかない!(ギラッ)」と開眼したほど、明確に自己の課題と対策が確信できました💦

スラムダンクしかない

話は私が発達障害の診断を受けた数年前に遡りますが、発達障害の自閉スペクトラム症と診断を受けるにあたり、「ウェクスラー式知能検査」を受けました。

ウェクスラー式知能検査とは?

医師が診断のために必要と判断し発達の特性を調べる場合、「発達検査」を行います。今日最もよく使われるものの一つが「ウェクスラー式知能検査」です。ウェクスラー式知能検査は、児童用のWICS(ウィクス)と、16歳以上用のWAIS(ウェイス)があり、全般的な知能指数(いわゆるIQ)以外に、4つの各能力「言語理解」「知覚統合」「作動記憶(ワーキングメモリ)」「処理速度」の指数(群指数)が算出されます。

参考:知能検査とは?大人の知能検査 WAIS-Ⅳ を読み解く(㈱Kaien HP)

検査の結果、私は他の群指数に比べてワーキングメモリが低いことが分かりました。

ワーキングメモリとは?

ワーキングメモリとは一時的に記憶を保持する、脳のメモ用紙のような役割をしているが、単に記憶するだけでなく、理解したり、思考したりするときにもフル活用される。したがって、メモ用紙というよりも、コンピューターのCPUのような役割を担っていると言える。(本書:p203)

自在に情報を一時保存したり、それを引き出したりしながら、情報処理を行ううえでの要となる能力だ。(本書:p212)

ワーキングメモリが、他の群指数に比べて30以上も低いことが、自分の困りごとのひとつ=「どうにもうまく話せない」ことの原因(のひとつ)だと分かりました。

発達まち子

つまり、言いたいことが頭に浮かんでも、その保持機能が弱いため、うまく言葉/文章として整理できる前に、考えている間に先の方からどんどん消えていってしまうからうまくいかなかったのです・・・

無味乾燥の数値で現れた特性が体感として理解することができました。

しかし、平均値ではあったこともあり、ワーキングメモリ凹問題は、以降「自閉スペクトラム症=社会的コミュニケーションの問題」という強すぎる問題の裏に隠れてしまい、自分の課題はソーシャルスキルの習得などコミュ障対策にあると考え、今回本書を読むまで、ワーキングメモリとコミュ障対策をまったく結び付けて考えてきませんでした。

ワーキングメモリは社会的スキルとも無関係ではない

しかし、本書の次の文言が、何の気なしにボーッと読み進めていた(🙇💦)私の目を一気に開かせ、忘れかけていた数年前の検査結果を鮮明に思い出させました。

ワーキングメモリが他の群指数よりも相対的に弱い人では、社会的スキルや社会的想像力が弱い傾向がみられるのだ。(中略)ワーキングメモリが乏しいと、何を言っていいかもわからないまま、ボーッと突っ立っているということも起きやすいし、この間のお礼を言うとか、将来の助力を得るために根回しするということも思いつかない。

機転が利くとか、よく気がつくということが、立身出世のチャンスとなることも多いが、そうした能力にはワーキングメモリの働きが大いに関係していると考えられる。(本書:p206-207)

こ、ここここれは・・・。

すっかり記憶の片隅に追いやられ興味の枠外にいたワーキングメモリが「知能全般、ことに目の前の現実に対処する能力において、コアな役割を担っている」と滔々と説かれる文章を読み、うまく話せないのも、とにかく疲れやすいのも、自分の欠点・欠陥・弱点、凹がまさにここにあるじゃないかΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン(なぜ今まで完全に無視していたのか…🌋)と衝撃を受けました。

克服法:シャドーイングしかない…!

「発達障害は凹の克服よりも凸、得意を伸ばすことが大事」という通説?が頭にあったからか、ワーキングメモリの克服をしようと、恥ずかしながら、これまで考えたこともありませんでした。。。。さらに、

コミュニケーション力を高めるためには、言語的な訓練ばかりをしてもさほど役に立たず、むしろ、ワーキングメモリを高めたり、視点の切り替えや変化を予測する力を磨き、知覚統合を高めることの方が有用だったりするのだ。(本書:p208)

とのこと。「知覚統合」は「言語理解」の次によかったので問題ないとすると、やはり自分の課題は「ワーキングメモリ」一択です。

発達まち子

岡田先生、はやく、はやく克服法を・・・!

本書に紹介されていた方法は以下の通りです。

【ワーキングメモリを鍛える方法】

① 百マス計算のような単純計算

② 暗唱訓練…文章を読んでそのまま暗唱する or 要約する

③ 聞いた通り書くディクテーション・聞いた通り繰り返すリピーティング

④ シャドーイング…聞き取りながら同時に声に出して繰り返す。読み取った文章をできるだけ覚えて書き写したり、その要点を書き留める訓練が有効

この中から私が選んだのは、②・③そして、④です。

外国語学習にもシャドーイングは強く推奨されていますし、本を読んだ後にアウトプットする重要性はベストセラー作家精神科医の樺沢紫苑先生がいつも口を酸っぱくして推奨なさっています。

発達まち子

やるしかありません!

ワーキングメモリを鍛えるといった基本的な訓練の積み重ねや、本人のつまずきに合わせた学習プログラムは、障害の克服に役立つ。ただ、それと同時に、あるいはそれ以上に大事なのは、自信を取り戻していくことだ。(本書:p214)

確かに、今日から毎日シャドーイングをやって何年も経ったら、それはもう絶対に今の自分ではなくなると思います。単純なので、思わず口元に笑みがこぼれてしまいました😅

時間は巻き戻せないけど、今日が一番若い日。

諦めないで、できることから、できる範囲でやっていこう😸。。自分なりの正しい理解と克服法を確かに見つけられたように思います。

診断以来、社会に合わせる方に注力していたような気がしますが、もちろんそちらも大切ですが、正直これじゃない感があったのも事実です。

2024年は、せっかくの自閉症を活かして?、自分に集中する年にしたいな、、と思います☺🌸

編集後記:今年の6月に続編が出ているのを書き終わった後に発見しました💦!これだけ売れれば続編も出しますよね😅 こちらもぜひ読んでみたいと思います!

※音読やシャドーイングについても、これから情報収集しつつ、実践していければと思います。ゴールセッティングや日々の時間割も考えなきゃですね。。

じつは、国語の教員免許を持っており教壇に立っていたこともあるのですが、『声に出して読みたい日本語』は鉄板教材であり、もし自分に子どもがいたら、小さなときから読ませて育てたらすてきだな~と思います☺👍